2013/03/06 ニュース
川崎重工、九州電力と小規模地熱発電で実証試験開始

 

 川崎重工業と九州電力はこのほど、九州電力山川発電所(鹿児島県指宿市)の構内で、小規模地熱バイナリー発電設備の実証試験を開始した。試験期間は約2年間で、地熱への適用可能性や経済性、熱回収技術などのデータを収集し検証する。
 
 実証設備の定格出力は250kW。同社が工場排熱などの有効活用を目的に開発したグリーンバイナリータービンを使用している。地下に還元する熱水を気水分離した地熱熱水を熱源に、代替フロンを媒体にしており、地熱への適用が可能と判断された場合、地熱資源を持つ離島などへの導入が期待できるという。 
 
 バイナリー発電とは、加熱源により沸点の低い媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回す方式。加熱源系統と媒体系統の2つの熱サイクルで発電するため、バイナリーサイクル発電と呼ばれる。地熱発電に導入すると、従来では利用できなかった低温の蒸気・熱水が有効利用できるとされる。