経済産業省は3月7日、再生可能エネルギーで発電した電力の調達価格などを審議する調達価格等算定委員会を開催した。そこで平成26年度からの新規参入事業者に適用する電力買い取り価格を設定した意見書を決定し、経済産業大臣に提出した。新買い取り価格は新年度から適用される予定。
意見書では、26年度からの新規事業者向け調達価格として、事業用太陽光発電の買い取り価格(出力10kW以上)を25年度の価格から4円引き下げた32円/kWに設定。住宅用など10kW未満の買い取り価格は1円安い37円/kWにした。風力は出力20kW未満・以上ともそれぞれ55円、22円と価格を据え置いたが、今回から洋上風力の買い取り価格区分を新設。36円/kWに設定した。中小水力では出力200kW以下の場合34円、200kW以上1000kW未満は29円、1000kW以上3万kW未満の場合は24円にそれぞれ設定した。他の種類の再生可能エネルギーと、電力の買い取り期間は変更しなかった。今回の価格引き下げは、▽特に太陽光発電で新規参入が相次ぎ競争原理が働いたこと、▽技術革新などで太陽光発電パネルやパワーコンディショナーなど、資機材の調達コストが下落していること、▽燃料費高騰などで電力を買い取る電力会社の経営状況が芳しくないこと、▽「グリッドパリティ(商業電力など既存の電力と発電コストが等しいか、それ以下になるポイント)の議論が国内でも始まっていること、などが背景にあると見られる。