2013/03/04 ニュース
鹿島、国内初の着床式洋上風力を竣工

 

 鹿島建設は2月27日、千葉県銚子沖で東京電力から受注した洋上風力発電設備(出力2400kW、一般家庭1200戸分に相当)を竣工したと発表した。2010年末から小堀鐸二研究所、三菱重工業などと施工していたもので、着床式の洋上風力発電設備としては国内初の竣工となる。
 
 この設備は、風や地震など日本の厳しい自然環境に適用できる洋上風力発電の技術確立が目的。独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京電力(東電)の共同事業で、洋上風力発電システムとして風車をNEDOと東電、洋上風況観測システムとして観測タワーをNEDOから受託した東電と東京大学が実証研究を行う。同社は東電から観測タワーと洋上風車の建設を受注し、東電からの再委託で、風車基礎の研究開発を行っている。今後約2年間の予定で、風向きや風の強さと発電量の関係などを調べる。
 
 基礎構造は、陸上で製作した基礎を建設地点まで輸送することを考慮し、中詰め材を後施工できるケーソンタイプの重力式コンクリート基礎を採用。形状は海面付近を極力細くした三角フラスコ型とし、基礎底面には摩擦を増大させるためのアスファルトマットを取り付け、安定性の確保に努めた。据え付けは、2400tのケーソンを半潜水式で運搬、据え付けた。
 
 風車の海面からの高さは126m。東京湾内で全パーツを2隻の大型SEP(Self Elevating Platform)に積み込み、銚子沖へ曳航し組み立てた。作業員は銚子沖のうねりに対応できる大型のサプライボートとバスケットで吊移動して高稼働率を達成した。