2014/01/24 ニュース
京大、燃料電池用などに低コストの新合金を開発
 北川宏・京都大学大学院理学研究科教授らの研究グループは、このほどパラジウムとルテニウムが原子レベルで混合している新合金を開発した。エネファームで耐被毒触媒に用いられているルテニウム触媒より高性能で、使用すればエネファームの長寿命化も期待できるという。
 
 パラジウムとルテニウムは、2000℃以上の液状でも分離しあう特性を持つ。原子レベルで混じることがなかったが、北川教授らはナノサイズ効果に注目。化学的還元法で、両金属が原子レベルで固溶した合金ナノ粒子を得ることができた。この合金は、周期表上で両金属の中間点に位置するロジウムと同等の電子状態を持つ。また、高額なロジウムの約3分の1のコストで製造できるという。エネファームなどの燃料電池に使用すれば、高価な白金触媒の耐久年数が向上するほか、ロジウムの代替触媒として、自動車排ガス浄化触媒にも使用できる。コスト面でロジウムを使用できない機種・局面でも、この新合金を使用すれば、ロジウムと同等かそれ以上の性能が期待できる。