三井物産、京セラなど5社は、東京電力管内の小売店舗50店を対象に、店舗の消費電力を削減する実証事業を始める。都内のセブン-イレブン店舗などに太陽光発電設備と蓄電池を設置。エネルギー管理や情報通信技術などを利用し、店舗の電力ピークカットに取り組む。
両社以外にこの実証事業に参加するのは三井物産プラントシステム(東京都港区)、京セラコミュニケーションズ(京都市)、セブン-イレブン・ジャパン(東京都千代田区)の3社。設備を設置するのは三井物産の取引先店舗とセブン-イレブンの店舗で、日中は太陽光発電設備からの電力で電力料金を削減。夏季はピーク時間帯に蓄電池を店内に一斉放電し、商業電力の消費量を削減する。これらの取り組みで電力会社の電力需給緩和、グリーンコミュニティーの構築を両立させる。また、セブン-イレブン店舗の場合、冷凍冷蔵設備の電力を蓄電池で賄い、電力供給の実効性を確かめる。今回の事業は、環境省の「平成25年度廃熱利用等によるグリーンコミュニティー推進実証事業(再生可能エネルギーと蓄電池の一元的管理の推進)」の一環で、三井物産プラントシステムの提案「コンビニエンスストアを中心とする小売店舗向け蓄電池及び太陽光・蓄電池情報の一元管理システムの導入による実証事業」が採択され、実現したもの。
同事業で、三井物産プラントシステムは環境省と契約し、事業全体を統括する。三井物産は再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせたビジネスモデルを構築。同事業を大規模展開する際の事業性を検証する。京セラグループは、太陽光発電設備と蓄電池を設計・納入するほか、データ元管理システムの構築と運用、データ解析を行う。同事業では10%のピークカット、約10%のピークシフト、冷凍冷蔵設備に災害時で最大6時間程度の電力供給などを目指す。