資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(分科会長・三村明夫新日鐵住金相談役)は12月6日、第12回会合を開催し、エネルギー基本計画に対する分科会としての意見などを議論した。同会合で示された意見案では、風力や地熱など各種発電設備を立地する上で、農地転用制度など各種の規制緩和・調整の円滑化を検討するものなどが示された。
このほか、北海道・沖縄の量電力会社で問題化した地域内送電網や地域間連携線の容量確保では、風力発電事業者が支払う送電線利用料で送電線整備に関する投資を回収する特別目的会社を設立する案が提示された。また再生可能エネルギーは出力変動が見られるため、広域的運営推進機関を設置し、この機関が周波数変動を広域で調整。地域間連携線の整備にも着手する。並行して、大容量蓄電池の活用や現在福島沖などで進められている着床式・浮体式の洋上風力発電の商業化も推進する。
さらに、小水力発電など小規模な分散型エネルギーシステムの構築を加速するため、個人や小規模事業者が市場に参加しやすい仕組みを構築する。小水力発電は河川法改正を追い風に、今後の導入拡大を図る。これらに加え、分散型エネルギーシステム内で余剰とされる電力を、電力会社に弾力的に供給できるようにするため、必要な系統安定化の技術革新も推進する。一方、FIT制度化の売電価格は、国民負担の観点から調達価格の見直しを含む配慮が欠かせないとして、「そのあり方を総合的に検討し、結果に基づいて必要な措置を講じる」とした。