経済産業省は12月3日、沖縄本島で産業用などの太陽光発電設備が連係するための送電網に空きがなくなってきている問題で、「沖縄本島における太陽光発電の接続についての対応」を取りまとめ公表した。それによると、対応策として▽沖縄電力の系統実証施設に容量2MWの鉛蓄電池を沖縄電力と共同で設置し、1割弱程度の接続量拡大を目指す、▽沖縄地域の送電網実証事業のため、平成26年度概算要求に44億円を計上する、▽接続料が限界に達した場合、同省から沖縄電力に、沖縄電力が接続を希望する発電事業者への説明を要請する、などで対応するとしている。
沖縄本島では、FIT制度の施行後、出力300kW以上の太陽光発電設備の系統連係申込量が約50MWにまで達している。この問題では、今年4月に北海道電力が同様の問題を抱えており、同省が救済措置に乗り出していたが、このとき沖縄電力も同様の問題を抱えるであろうことを注意喚起していた。沖縄電力の送電インフラは系統規模が小さく、系統も国内の他地域に接続されていないため、接続量の限界を迎えるのが比較的早かった面がある。同省が概算要求に計上した44億円は、大型蓄電池の制御・出力抑制などを組み合わせた新しい送電網の制御/管理技術の実証事業費に充当される。この実証事業では、島嶼部の系統管理も行う。