消費者庁の消費者安全委員会は10月18日、ヒートポンプ給湯機から発生する騒音が日常生活に著しい影響を与えている可能性の調査経過報告を発表した。同委員会にヒートポンプ給湯機由来の低周波音と思われる音、振動で苦痛を感じている2名が提出した事故等原因調査等の申し出に基づき、専門委員3名が調査していたもの。調査の申出件数は9月末の時点で10件だったという。同委員会は現在、ヒートポンプ給湯機と健康被害との関連性について、何らかの見解を出すまでに至っていない。
現地調査や申出者2名からのヒアリングなどで、▽申出者2名に不眠という症状が共通している、▽その他めまい、吐き気、頭痛などを感じることがある、▽訴えている症状は日常生活に著しい影響を及ぼすレベル、▽ヒアリングで、申出者は自宅周辺にヒートポンプ給湯機が設置されたか、設置場所の周辺に引っ越した後で症状が出現した、▽この環境下でも症状を訴える者と訴えない者がいる、ことなどを把握した。実際に低周波音が発生しているかどうかは、現在測定の結果待ちだという。同委員会は、症状の発生要因が他にあるかどうかも視野に入れて調査を続行する。症状が発生する場合に共通する要素を複数抽出し、発生に影響していると思われる種種の要因を検証。必要な対策のために役立てる。ヒートポンプ給湯機は、今年3月までの時点で累計375万台が国内で販売されている。