2013/10/30 ニュース
長崎県の沖合で浮体式風力が運転開始
 戸田建設を代表とする環境省浮体式洋上風力発電実証事業受託者グループは、長崎県五島市の椛島周辺海域で、2MW風車を搭載した浮体式洋上風力発電施設が運転を開始したと発表した。同グループの構成企業・団体は日立製作所、芙蓉海洋開発、京都大学、海上技術安全研究所。今回の運転開始は、商用規模の浮体式洋上風力発電施設としては国内初で、ハイブリッドスパー型としては世界初という。
 
 10月28日に運転開始の際行われた開所式には、石原伸晃環境相も出席した、設置した風車は、「はえんかぜ」と命名され、今後設置環境への影響や施設の動揺・発電状況などを観測する。実証海域の椛島周辺海域は、年平均風速が約7.5m/秒(海上60m)が見込め、1m以下の波の出現頻度が年間約89%と洋上風力発電に適しているという。実証機は、円筒形状の浮体構造の上に、風車を海上に突出して固定する構造のスパー型で設置されている。実証機は3本のチェーンで海底に係留され、浮体上部には鋼、下部にはコンクリートを使用するハイブリッドスパー型と呼ばれる形式を採用した。これは戸田建設と京都大学が共同開発したもので、今回の実証機が世界初の実用化となる。海底の最深部からブレードの先端までの全長は172mになり、海面上に浮いて見える部分の高さは96m。総重量は約3400t。風車は日立製作所のダウンウィンド型を採用した。