日本エネルギー経済研究所は10月21日、国内外のエネルギー事情などを考察した「アジア/世界エネルギーアウトルック2013-シェール革命がもたらす変革をどう読むか?」を発表した。それによると、原子力発電が欧州と日本以外の地域で拡大し、設備容量が2012年の3.88億kWから2040年には6.31億kWに拡大するほか、太陽光・風力など再生可能エネルギーは、2040年までに2011年の水準の3.9倍増となるという。
この大幅増で、世界の全電力消費の1割は再生可能エネルギーで賄われるようになる。2040年までに増える分の62%は、発展途上国の薪消費など低コストのバイオマスが牽引する形になる。全再生可能エネルギーを合算すると、2040年までの増分は天然ガス、石油に次ぐ規模にはなるが、エネルギーの種類別シェアでは現状の13%が15%と微増にとどまる。このため、2040年になっても化石燃料依存の構図は変わらないと見られる。同研究所では、化石燃料依存型でのエネルギー消費量増加は、エネルギー市場の不安定化、環境負荷とエネルギーコスト増大などをもたらすとしている。これを回避するため、より安価な再生可能エネルギー、よりクリーンな化石燃料使用などあらゆる対策を世界規模で動員することが必要だという。