産業総合研究所(産総研)は10月1日、「福島再生可能エネルギー研究所」を設立する。実際の研究所は来年4月、福島県郡山市の西部第二工業団地内で開所するため、それまで産総研つくばセンター(茨城県つくば市)で研究活動を行う。
新研究所は、平成26年1月に研究本館と実験別棟が完成する予定。以降、順次資機材を搬入し、4月の開所を目指す。また、研究推進組織として福島連携調整室、福島研究業務推進室を置き、同研究所内で活動する科学技術振興機構などと連携。文部科学省などともプロジェクトを通じて大学・関連企業と次世代太陽光発電設備を開発するほか、地元大学・欧米・アジアの研究機関などと人材交流を活発化し、共同研究に取り組む。さらに、これまで蓄えた知見とノウハウ、研究設備を用いて被災地の地場産業が開発する製品・技術の評価も行う。新研究所は、▽多様なエネルギー貯蔵技術を活用し、送電網との円滑な連係が可能な再生可能エネルギーネットワークの開発・実証、▽太陽光・風力などからアンモニアなどを製造し、貯蔵・利用を確立する水素キャリア・利用技術、▽発電量向上と風車の長寿命化を両立する高効率風車技術とアセスメント技術、▽太陽電池の製造ラインを活用した高効率・高信頼性・低コストの薄型結晶シリコン太陽電池モジュール量産化技術の確立、▽持続的な運転と周辺温泉への影響監視・評価のための地熱発電モニタリング技術、発電地域の拡大技術の開発、▽地下水流動と熱交換予測シミュレートから探る地中熱ポテンシャルマップ作成、マップを活用した地中熱利用システムの最適化・高度設計技術の開発、などに取り組む。