矢野経済研究所は、国内の太陽電池セル・モジュールメーカー、太陽光発電システムインテグレーターなどを調査した結果をまとめた調査報告書「太陽光発電システム市場の現状と将来展望 2013」を刊行した。A4判175頁の体裁で、価格は12万6000円(税込)。報告書によると、国内の太陽光発電システム市場は、平成26年度には3兆159億円まで拡大するが、平成32年度には1兆17億円と平成24年度実績を下回る縮小となる模様。
24年度の国内太陽光発電システム市場動向では、市場規模は80.9%増の1兆3198 億円と初の1兆円台突破となった。住宅用は14.2%増の7046億円、公共・産業用は445.9%増の6152億円(エンドユーザー販売金額ベース、以下同)と非住宅用に牽引される形で市場が伸長した。新築戸建住宅へのの搭載率は、20年度の4.6%から23年度には22.6%、24年度には26.2%に達した。24年度の海外メーカー製モジュールのシェアは住宅用が16%、公共・産業用が17%と全体でも17%に留まった。反面、国内メーカーに生産の海外移管や海外太陽電池メーカーからのOEM調達を進める動きが多く見られるため、国内市場で海外製モジュールのシェアは急増している。太陽光発電協会が集計した24年度の国内市場における海外製モジュールのシェアは37.9%に急増している。
今後の市場動向では、住宅用市場は新築住宅の搭載率向上で32年度まで拡大すると見られる。販売事業者が住宅用から、利幅の大きい容量10~50kWの産業用システムの販売に営業リソースをシフトさせるため、住宅用は需要が踊り場に差し掛かる。一方、新築住宅向け販売は順調に搭載率が上昇する模様で、25年度の7506億円から32年度には8010億円に拡大すると見られる。公共・産業用では26年度までは急拡大するが、その後はFIT制度の買取条件悪化、メガソーラー建設用地不足などで急激に縮小すると考えられている。市場規模は今年度の1兆5175億円から26年度には2兆2905億円に拡大するが、32年度には2007億円まで縮小すると予測される。