2013/07/11 ニュース
JFEスチール、製鉄所内の排熱利用型発電で計画値の達成を確認
 JFEスチールは、3月から東日本製鉄所(京浜地区)で行ってきた排熱利用の熱電発電技術で、実証試験の結果計画通りの発電出力を得た。同社は今回の技術が製鉄所内で有効利用できることを確認し、実証試験を継続する。同時に耐久性を確認し、発電効率と信頼性の向上を含む発電システムの確立に取り組む。
 
 熱電発電技術は、異なる金属か半導体に温度差を設けると電圧が発生する「ゼーベック効果」を利用したもの。熱から電気を生み出し、発電時のCO2排出が全くないという。24時間操業の製鉄所には排熱が常に存在するため、年間を通じ熱電発電に適した環境にある。そこで同社はKELK(神奈川県平塚市)が開発した出力密度1W/平方cmの熱電変換モジュールを採用。銑鉄を半製品の鋼塊(スラブ)に加工する連続鋳造設備に熱電発電システムを設置した。スラブの上方にパネル状の熱電発電システムを配置し、スラブが放出するふく射熱から10kW級の発電を行えるかどうかを検証した結果、予測通りの結果が得られた。得られた電力はパワーコンディショナーを介して直流から交流に変換後、既存の配電線に接続し、所内設備の電源として利用できた。