シーメンスは現地時間の7日4日、風車175基を納入した英国の世界最大の洋上風力発電所「ロンドン・アレイ」(写真)が本格稼働を開始したと発表した。ロンドン・アレイはケント州とエセックス州の沿岸、テムズ河の沖合約20kmに位置する。同社が納入した風車175基はローター径120m、出力3.6MWのタイプで、併せて陸上変電所と北海洋上2か所の変電所を結ぶ系統連系機器も納入した。
同社はデンマークのDong Energyと共同で長期保守サービスも提供する。ロンドン・アレイ洋上風力発電所は両社と独E.ON、アラブ首長国連邦のMasdarの共同企業体が施工したもの。合計出力は630MWにもなり、英国の一般家庭50万世帯に電力を供給する。今回の稼働開始で、90万t/年のCO2削減効果も期待されており、期待削減量は自動車30万台分に上るという。ペーター・レッシャー・シーメンスAG社長兼CEOは落成式で「今回のプロジェクトは、この分野で当社がリーディングポジションにあることを裏付けている。このプロジェクトは、手間のかかる洋上風力発電所の建設や輸送工程の工業化に貢献するだろう」とコメントした。同社は4.6GW分の洋上風力発電所向け受注残も保有している。
(写真提供=シーメンス)