2019/05/27 ニュース
東京大学など、分散型電源を活用した電力の個人売買システムを実証

 東京大学は5月23日、トヨタ自動車、東京電力グループのTRENDE(東京都千代田区)と共同で、個人間で電力を取引できる次世代電力システムの実証実験を始めると発表した。6月17日から1年間、トヨタの東富士研究所と周辺エリアで実施する。この実証試験では、ブロックチェーンを活用して電力網につながる太陽光発電設備や蓄電池、プラグインハイブリッド車(PHV)を電源にする。これらの分散型電源を保有する需要家(プロシューマー)と消費者が、電力の売買市場を介して、需給状況に応じた変動価格で電力を売買することの経済性を検証する。また、プロシューマーが発電した電力を、他の需要家と直接売買する双方向・自律型の電力供給システムの有効性も確認する。このため、3者は実験に参加する家庭や、事業所がアクセスできる電力取引所を新設する。その上で、家庭や事業所ごとにAIを活用したエネルギー管理システム「電力売買エージェント」を設置。このシステムは、家庭や事業所の電力消費と太陽光パネルの発電量予測に応じて、電力取引所に電力売買の注文を出す。各家庭や事業所から電力取引所に集約された売買の注文を一定のアルゴリズムでマッチングさせ、電力の個人間売買を行う。3者の役務は、トヨタが車両用の電力売買エージェントを開発する。東京大学は電力取引所の構築、事業所用電力売買エージェントの開発を行う。そしてTRENDEが、家庭用電力売買エージェントを開発する。3社は、PHVを分散型電源として組み合わせた個人間電力売買の実証実験は、今回が世界初だとしている。