2019/02/01 ニュース
大成建設など、水素配送システム実証事業施設を室蘭市で竣工

 大成建設は1月30日、北海道室蘭市で建設していた低圧水素配送システムの実証設備を竣工し、開所式を行ったと発表した。この設備は、環境省が推進する「地域連携・低炭素水素技術実証事業」の一環として建設されたもの。この実証事業は同社のほか、▽室蘭市、▽九州大学、▽室蘭工業大学、▽日本製鋼所、▽巴商会、▽弘電社--が参画している。竣工した設備は、実証事業は今年度から来年度の2年間に実施され、地域の再生可能エネルギーや未利用エネルギーを利用して製造した水素のサプライチェーンを構築・実証する。まず、室蘭市所有の祝津風力発電所(室蘭市、出力1000kW)で発電された電力で、水素製造所に設置された水電解装置で水素を製造する。製造した水素は、車載型コンテナに内蔵された水素吸蔵合金タンクに貯蔵する。貯蔵したタンクを、コンテナごと水素運搬車(容量2t)に搭載し、約10km走行して民間の温浴施設まで輸送する。このタンクから、温浴施設内の定置型水素吸蔵合金タンクと燃料電池に水素を供給する。燃料電池で発生する電気と温水は温浴施設で使用される。同社はこの実証事業で、全体統括、基本システム設計などを担当している。