ローソンと三菱商事が設立した小売電気事業者のMCリテールエナジーは10月30日、ローソンの各店舗を活用したヴァーチャルパワープラント（VPP）事業に参入すると発表した。AIを活用した電力使用抑制の判断に基づき、複数の店舗設備で電力の使用を遠隔制御する。これにより、MCリテールエナジーの電力需給バランスをコントロールし、電力調達コストの削減に繋げる。一連の電力バランスの調整で得られた効果は、その一部を需要家側にメリットとして還元するモデルも構築する。ローソンは2016年度から、慶應義塾大学SFC研究所と経済産業省の「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業」に参画している。そこで、この実証の経験を活かし、ローソンが各店舗の電力使用を制御・統合管理するリソースアグリゲーターとして、店舗機器を遠隔制御し、需要家と小売電気事業者とのVPPモデル確立を目指す。将来的には、全国のローソン店舗にVPPシステムを導入し、店舗エネルギー利用の最適化だけでなく、電力需給バランスの維持と電力系統安定化に寄与するエネルギー調整基盤の構築に貢献することを志向する。