2018/10/15 ニュース
JSTなど、FCVの燃料水素を回収する水素精製装置を開発

 科学技術振興機構(JST)は10月11日、アンモニア分解ガスから燃料電池自動車(FCV)用の高純度水素を高効率で回収する水素精製装置を開発したと発表した。広島大学、太陽日酸との共同研究で開発したもので、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム、「エネルギーキャリア」の委託研究課題「アンモニア水素ステーション基盤技術」の一環として開発された。精製能力は20N立法m/時、水素回収率は90%にのぼるという。開発した装置は、2塔式の空再生型圧力変動吸着式精製装置を4塔式に変更し、従来は排気されていた水素ガス量を減少させることでプロセスを確立した。また、排気ガスの流れも改良し、変動の大きかった排気ガスの流量や水素濃度の変化を一定にすることにも成功した。これにより、触媒燃焼させることでアンモニアの分解反応熱に利用できるようになった。精製過程で発生する10%のオフガスを、アンモニア分解用熱供給装置に供給することもできる。3社は、今回の実績で精製能力100~1000N立法m/時の商業用装置の製作に目途がついたとしている。開発された装置は、「「アンモニア水素ステーション基盤技術」で並行して開発されているアンモニア分解装置、アンモニア除去装置などと組み合わせれば、アンモニアから高純度水素を高効率で製造できるようになるという。