2018/08/10 ニュース
シーメンス、新戦略で発電部門などを事業会社化

 シーメンス(本社/ドイツ・ベルリン~ミュンヘン)はこのほど、長期的な価値を創出するための事業戦略「Vision2020+」を発表した。これは組織の簡素化、スリム化を図り、成長のスピードを加速、収益性を高めることなどが狙い。新戦略では、シーメンスブランドとして個々の事業を事業会社化し、大幅に独立性を持たせてそれぞれの市場でにより注力する。また、分散型エネルギー管理、電動モビリティ向けインフラソリューションなどに投資し、成長ポートフォリオを強化する。新設する事業会社は、▽ガス&パワー (本社・米テキサス州ヒューストン、CEO:リサ・デイビス氏)、▽スマートインフラストラクチャー (本社・スイス、ツーク、CEO:セドリック・ネイケ氏)、▽デジタルインダストリー (本社・ドイツ、ニュルンベルク、CEO: クラウス・ヘルムリッヒ氏)--の3社。これら事業会社のCEOは、引き続きシーメンスAGの取締役会メンバーとなる。また、戦略企業として連結子会社のシーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーなど3社が位置づけられる。仏アルストムとの合併が完了するまで、同社のモビリティ部門もこの中に含まれる。新体制は10月1日に発足し、2019年3月31日に導入を完了する予定。ジョー・ケーザー同社社長兼CEOは今回の事業再編に際し、「最も大きな企業ではなく、最も適応できる企業が生き残る。だからこそオーナーシップカルチャーをさらに推し進め、各事業の独立性を大幅に高めることにした」とコメントした。この事業会社化で、マーケットリーダーとして市場を牽引している洋上風力発電分野や、ガスコンバインドサイクル発電分野などで、従来以上に存在感を高められるかなどが注目される。