2018/08/08 ニュース
昨年の新設太陽光事業者は1146社 東京商工リサーチ
 東京商工リサーチは8月6日、昨年1年間の電力事業者の新設法人調査結果を公表した。その概要によると、昨年に設立された電力事業者は1988社(前年比11.2%増)と3年ぶりに前年を上回った。このうち、太陽光関連の新設法人は1146社(8.6%増)と、2015年から2年連続の減少に歯止めがかかった形となった。風力は321社(36%増)、バイオマスは186社(52.4%増)と太陽光以上に参入が相次いだ。これは相対的に、太陽光以外のエネルギーに注目が高まっていることが背景にあると見られる。また、FIT制度で毎年電力買い取り価格が引き下げられていることも影響したと思われる。風力とバイオマスは大幅に増加したものの、立地条件や設置コストの兼ね合いなどで、太陽光ほどの設立数にはなっていない。新設概況を資本金別で見ると、「100万円未満」が974社(構成比48.9%)で、これを含めた「1000万円未満」が1800社と全体の90.5%を占めた。地区別の動向では、関東が1092社(54.9%)と最多だった。次いで、九州の244社(12.2%)、中部の175社(8.8%)となっている。法人格別では、合同会社が1195社(24.8%増)だった。過去最多を記録した2014年の1824社から34.4%減少したが、それでも全体の60.1%を占め4年連続で構成比でトップとなっている。太陽光と異なり、バイオマスなどのエネルギーは初期投資がかさむため、資金面から寡占化が進行する事態も想定される。多様な事業者の参入と発電コストの抑制を両立するためには、参入業者への支援策も今後必要になると見られる。同社は、「電力事業者の新設法人数は、こうした課題の解決状況や固定買取価格の動向に大きく左右される状況が続く」と予測している。
 
 一方、今年上期(1-6月)の太陽光関連事業者の倒産件数は43件(前年同期比6.5%減)、負債総額は153億3700万円(13%減)で、件数・負債ともに前年同期を下回った。件
数が前年同期を下回るのは8半期ぶりという。同社は、倒産件数が昨年下期を境にピークアウトした可能性があるとしている。