2018/08/06 ニュース
福島電力、破産申し立てで裁判所から保全管理命令
 東京商工リサーチは8月2日、新電力会社の福島電力(福島県いわき市)が福島地裁いわき支部から保全管理命令を受けたと報じた。命令は7月19日付で、債権者から破産を申し立てられたためこの措置となった。同社は事業を継続しているが、債権者側と破産申立で全面的な係争中だという。現在は保全管理人が調査しており、裁判所が破産の可否を審理すると見られる。同社は平成28年10月に福島第一原発事故の被災地で設立された。平成29年2月には小売電気事業者登録を取得し、同年春頃から業務を本格化した。同社は各協会・団体の代理店契約を取り付けることに成功したほか、不動産業界との関係も強化した。これらの活動で、平成29年9月期には売上高約3億円を計上し、約7万件の契約を確保できた。しかし、事業の拡大に請求事務が追い付かないなど、顧客とのトラブルも顕在化していた。平成30年4月には社長が交代し、他社へ契約を仲介する業態に事業内容を変更した。それでも対外的な信用は回復できず、債権者から破産を申し立てられていた。