2013/06/06 ニュース
ロームほか、災害時の非常電源用に高効率燃料電池を開発
 ローム(京都市)、燃料電池開発ベンチャーのアクアフェアリー(同)は、固体水素源を使用する小型軽量で高出力の水素燃料電池の開発と事業化を2年間の期間で実施する。京都大学から技術的な支援を受け、各種の実証試験を実施。地元京都市のほか秋田県など4自治体が参加し、避難所などで災害時の緊急電源としてのコストパフォーマンス、改善点などを確認する。新技術の商業化は平成27年をめどにしており、今秋の目標でプロトタイプを試作し、非常用電源としての基本性能を評価。来年の防災の日にフィールドテスト用の燃料電池を自治体に持ち込み、災害時の緊急電源としての実証試験を行う。
 
 両社と京都大学は、昨年9月に軽量化と高効率化、長寿命化を達成した、環境負荷の少ない水素燃料電池システムを開発している。この3者は、開発したシステムの事業機会を調査するため、国内の各種展示会にも出展し官民への営業活動を行った。その結果、世界25か国から100以上の引き合いが寄せられた。中でも数100Wクラスで軽量・高容量と使い勝手が良い電源に対する希望が多く、国内では緊急電源としてのニーズが強いことを確認した。今回の取り組みで、両社は市場への早期導入を目指し、固体水素源燃料ユニットと燃料電池の仕様を早急に策定する。燃料ユニットは東洋製罐、東洋エアゾール工業、試作技術では京都試作ネットなどがプロジェクトチームに参加。開発を進めていく。