2018/06/18 ニュース
EVを走らせない日が年に3割以上 積水化学が調査

 積水化学工業 住宅カンパニーは6月13日、VtoH(Vehicle to Home)システムを導入した住宅の利用実態調査結果を公表した。この調査では、セキスイハイムのエネルギーマネジメントシステム、太陽光発電設備、VtoHを保有する64世帯が対象となっている。VtoHは、システムを設置している自宅と電気自動車(EV)との間で電力を融通するもの。システムの運転モードには、電力単価の安い深夜に充電して、電力単価の高い朝夜に放電する「経済モード」と、併設した太陽光発電設備の余剰電力を充電し、夜間に放電する「グリーンモード」がある。この2つのうち、現在は経済モードをほとんど全てのユーザーが利用していると見られる。同社の調査の結果、EVの走行で消費する電力量は住宅の電力消費量よりも少なく、EVを走らせない日が各世帯で1年間に3~4割あったことが分かった。また、経済モードでの電力消費量は、走行に比べ自宅での利用がその約2.3倍となっている。以下、同社の試算では、グリーンモードでも、EVの蓄電池は走行の約1.7倍の電力量を自宅で利用できるという。グリーンモードでは、電力自給率は平均で48%に、EVを利用しない場合では最大84%まで高めることができるとされる。ただし、年間ではEVの約15~35%に充電機会の損失が発生する可能性がある。悪天候下で太陽光発電設備の発電量が不足したり、EVを使用していて充電できないなどが理由という。このため、グリーンモードでの蓄電池稼働率を向上させるには、昼間の充電機会損失に対策が必要となる。同社は今後、住宅とEVの連系をさらに強化することで、自宅での電力の自給自足率を更に高められると見ている。