日立造船は6月13日、製造能力200N立法m/hの大型固体高分子型水素発生装置を開発したと発表した。風力発電設備や太陽光発電設備からの余剰電力を使って、水を電気分解し水素を製造・貯蔵する。同社は今年度内に、同社柏工場で性能確認試験や耐久性試験などの実証実験を行う。その後商品化を進め、来年度には発売したい考え。開発した装置「ハイドロスプリング」（固体高分子型）は、純度99.999％-dryの水素を製造できる。40フィートコンテナ（12.2m×2.4m×2.6m）の中にコンポーネントが収納され、可搬式でボンベの運搬・保管・交換が不要。電力と水だけで、オンサイトで水素を大量に製造でき、メガワット級の電力変換に対応している。同社は、電解技術とフィルタープレスの技術を融合させて電解槽を大型化しており、このように大量に水素を製造できる設備はこれが国内初だとしている。同社は今後、産業界から排出される二酸化炭素と、再生可能エネルギー由来の水素を反応させてメタンを生成するメタネーションプロセスの開発にも着手する。