日本産業機械工業会(産機工)はこのほど報告書「風力発電関連機器産業に関する調査研究」をまとめた。昨年度に実施した「風力発電関連機器産業に関する調査研究」に基づくもので、同報告書によると国内の風力発電事業者は、短期的には国内市場より海外市場を有望視する傾向が見られるとしている。
産機工は風力発電関連機器産業に関する調査研究のため、昨年10月~12月の期間に主要な風力発電関連企業434社へのアンケート調査を実施。137社(回答率31.6%)から有効回答を得た。その結果、関連企業の多くはFIT制度下での風力発電市場の拡大を確信しているが、補助金の打ち切りからの移行が必ずしもスムースではないこと、環境アセスメント適用拡大など課題があり、発電事業者にはあと2、3年は厳しい投資状況が続く見通しという。このため発電事業者などは短期的には国内市場より海外市場を有望視している。
一方、東日本大震災の後、再生可能エネルギーへの注目が高まったため民需への期待も見られる。今後の関連産業の育成には、政策で風力発電の導入目標を示す必要があり、民需を促すため支援施策などが必要とされる。国内企業は、風力発電に応用しうる要素技術を持っており、風力発電への導入目標など積極的な政策が示されれば、参入企業が増え、各企業の新技術開発と設備投資が促進されると考えられている。