三菱重工業は現地時間の5月28日、同社と同社アメリカ法人の完全子会社MPSAが、風力発電機の特許を侵害していると米ゼネラル・エレクトリック(GE)から訴えられていた裁判で、約1億7000万ドル(邦貨換算約173億円)の損害賠償を米テキサス州北部地区連邦地方裁判所から命じられた。
GEは平成22年2月11日に訴訟を提起。同社がGEの風力発電機に関する特許2件を侵害しているとされ、このうち1件はGEの特許が認定されず、同社が勝訴した。一方で同社もGE側が同社の独立ピッチ制御特許を侵害しているとして逆提訴。これはフロリダ州中部地区連邦地方裁判所から請求を認められなかった。
残りの特許1件は、昨年3月8日に約1億7000万ドルの損害賠償義務があるとする陪審評決が下っていた。今回の判決はこの評決を受けたもので、同社は、「当社は他社の知的財産権を尊重しており、判決対象の特許も侵害していないと考えている。今回の判決がGE社の「不公正行為」を認定しなかった点は不当と考える」としており引き続き自社の主張が認められるよう必要な措置を講じていく。今回の判決対象の特許は米国特許商標庁で再審査手続が進んでおり、GE側の特許の有効性を否定する審査官通知が出されている。