産業技術総合研究所は、福島県に再生可能エネルギーの研究開発拠点を開設する。並行して、東日本大震災の被災地である岩手県、宮城県、福島県の企業が開発した再生可能エネルギーの関連技術などを評価。これらの取り組みを通じ、被災地3県で再生可能エネルギー関連の産業・市場創出に寄与する。
研究開発拠点は福島県郡山市の西部第2工業団地内に来年4月開所する予定。これに先立ち、被災地3県の企業が開発した再生可能エネルギー関連技術・製品の性能評価と品質評価を、企業との共同研究として今年度から行う。ただし、産総研から被災地企業の研究開発費を助成するというようなことはない。共同研究として募集するのは太陽光発電、風力発電、熱利用の3分野。太陽光発電では、▽結晶シリコン型太陽電池モジュールの製造技術、▽結晶シリコン型太陽電池の性能向上を図る材料技術、▽太陽光発電システムの故障診断・モニタリング技術、が技術課題となっている。
風力発電分野では、風況の測定とアセスメント技術の高度化技術を募集。熱利用分野では、▽地熱調査井の性能評価・モニタリング技術、▽地中熱利用関連の高度化技術、▽蓄熱利用システムの高度化技術、で技術シーズを募集する。採択予定件数は全部で10件程度。産総研への性能評価申請は6月24日まで受け付け、実施内容案は7月24日に決まる見通し。事業者には8月上旬に産総研から結果が通知される。