2018/01/22 ニュース
積水化学、地中熱交換器の新工法を共同開発
 積水化学工業は1月19日、三谷セキサン(福井市)と地中熱交換器内蔵既製コンクリート杭「Hybrid Pile MS」を共同開発し、特許を申請したと発表した。Hybrid Pile MSは、中層~高層建築物などで用いられる既製コンクリート杭の中空部に、地中熱交換器を設置する新工法。同工法はまず、既製コンクリート杭の杭長に合わせ熱交換器を固定した鉄筋かごを工場で作製する。次に、基礎杭の埋設時にかごを杭の中空部に設置する。杭を接続する部分は、専用の継手と電気融着方式で熱交換器を接続する。熱交換器を基礎杭の内部に設置するため、熱交換器のための掘削作業が不要で、現場作業が軽減される。また、熱交換器を固定したかごを事前に作製するため、工期短縮や工事費用の削減効果なども期待できる。両社は、茨城県坂東市で同工法の実証試験を2回実施しており、シミュレーションの結果、有効長さ1m当たりの熱交換量は、従来の方式に比べて約1.5倍だったことを確認した。両社は今後、省エネ対策に有効な工法として同工法の営業展開を行っていく方針。