一般財団法人ニッポンドットコムとフリードリヒ・エーベルト財団は、
10月15日(月)OAGドイツ東洋文化研究協会ホールにて
国際シンポジウム「転換迫られる世界のエネルギー政策」を開催した。
東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年半が経過した。
この原発事故は被害が甚大であったことに加え、原子力先進国である日本で起きたがゆえに、
日本国内のみならず世界中で今後のエネルギー政策の行方に重大な影響を与えた。
今回開催された国際シンポジウム「転換迫られる世界のエネルギー政策」では
再生可能エネルギーの可能性に焦点を当てながら、ドイツ、アメリカ、中国、香港から専門家を招き、
日本の専門家を交え、日本および世界のエネルギー政策の方向性を討論。白熱した議論が展開された。
国際シンポジウムは、午前中、ロッキーマウンテン研究所所長エイモリー・B・ロビンス博士の基本講演から始まった。
ロビンス博士は、近著「新しい火の創造」の中で、エネルギー効率の向上により需要を削減し、
最終的には原発だけでなく、化石燃料も使わずに「再生エネルギー」で必要なエネルギー供給を目指す、
その理論をデータや事例を踏まえて解説。
このロビンス博士の基本講演の内容をベースに、東京在住20余年のジャーナリスト、
アンドリュー・ホルバート氏(スタンフォード日本センター所長、明海大学特任教授)をモデレーターに迎え、
ロビンス博士を交えた4人のパネリストによる「再生可能エネルギーの可能性」についての討論を引き続き行った。
そして、1時間の休憩をはさんで、午後はベルリン自由大学教授ミランダ・A・シュラーズ女史の基本講演から始まった。
シュラーズ女史は、ドイツ連邦環境省の環境問題専門家委員会の委員でもあり、
再生可能エネルギーの先進国であるドイツの最新事情を紹介。
続いて、中央公論元編集長である近藤大博氏(日本国際情報学会会長)がモデレーターを務めて、
第2部のパネルディスカッションが始まった。
第2部は「世界のエネルギー政策の行方」と題し、香港城市大学客員研究員であるマイケル・エデッセ氏、
李志東(長岡技術科学大学教授)氏がそれぞれ香港、中国のエネルギー事情を紹介し、
日本エネルギー経済研究所理事である山下ゆかり女史が日本を含めたアジアの最新エネルギー事情を紹介した後に
パネルディスカッション、最後にシンポジウム参加者からの質疑応答で、6時間余りの国際シンポジウムは終了した。
なお、当日の基本講演者・モデレーター・パネリストは以下の通り
□第1部「再生可能エネルギーの可能性」
基調講演:エイモリー・B・ロビンス(ロッキーマウンテン研究所所長)
モデレーター:アンドリュー・ホルバート(スタンフォード日本センター所長)
パネリスト:梶山恵司(富士通総研上席主任研究員)
パネリスト:平井孝志(ローランド・ベルガ―取締役)
パネリスト:福江一郎(三菱重工業特別顧問)
パネリスト:エイモリー・B・ロビンス
□第2部「世界のエネルギー政策の行方」
基調講演:ミランダ・A・シュラーズ(ベルリン自由大学教授)
モデレーター: 近藤大博(『中央公論』元編集長)
パネリスト:マイケル・エデッセ(香港城市大学客員研究員)
パネリスト:李志東(長岡技術科学大学教授)
パネリスト:山下ゆかり(日本エネルギー経済研究所理事)
パネリスト:ミランダ・A・シュラーズ
(当日取材)若生幸成