2013/05/08 ニュース
九大研究室、高耐久化した新型燃料電池を開発

 

 中嶋直敏・九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所/大学院工学研究院教授、藤ヶ谷剛彦准教授らの研究チームは、加湿なしで駆動する新型の燃料電池を開発した。冷却器や加湿器のコスト10%分が製造過程で削減できるというもので、現在は発電可能温度を250℃まで拡張する検証を進めており、実用化されれば直接都市ガスから発電できるようになるという。
 
 流通している燃料電池は、電極を隔てる高分子膜に水を含ませて水素イオンを運ぶため、加湿器が必要だった。また、水が沸騰する100℃以上では使用できないため冷却器も必要になり、コストや水分管理で問題があった。中嶋教授らは、100℃以上で発電する燃料電池の開発のため、高分子に固体状の酸をブレンドした膜を電極間に挟んだほか、高分子化した酸を積層させた新規電極触媒を開発。これらの新技術で、燃料電池の寿命が飛躍的に向上することを発見した。電池の長寿命化は低コスト化と同じ効果のため、結果的に低コスト化につながる。中嶋教授らは、今回の新型燃料電池が現在流通している燃料電池に十分代替できるとしている。