2013/05/08 ニュース
笠取風力発電所事故、風車の材質面に問題か

 

 シーテックが運営するウインドパーク笠取(三重県津市)で4月7日に発生した風車の損壊事故について、同社は部品の一部が不適切な材質で製造されたのではないかと推定する中間報告をまとめた。同社は今後、全風車を点検し健全性を確認するほか、点検マニュアルの整備など再発防止策を検討する。
 
 この事故は、ウインドパーク笠取の風車(日本製鋼所製)の機械部分がタワー部分から落下したもの。同社の推定によれば、事故当日はブレードが風を受け流す状態を維持できなくなり、3枚のブレードが過回転となった可能性が高い。同社は、機械部品のピッチモータブレーキを調査したところ、ピッチモータブレーキを構成するスプラインと呼ばれる動力伝達システムの歯が摩耗していることを発見。このスプラインが不適切な材質で製造されたため、▽スプラインが異常摩耗したこと、▽ブレーキ力が規定値を下回り、過回転が発生したこと、▽過回転で変形したブレードがタワーに接触したことなどで、ナセルとタワーを結合するボルトに応力が掛かりボルトが破断。機械部分が脱落したと見ている。