2013/05/08 ニュース
明治大学で「千代田区グリーン・ビル認証制度構想会議」第1回開催~

千代田エコシステム(CES)推進協議会の会長で明治大学政治経済学部の大森正之教授が中心となって、千代田区にてグリーン・ビル認証制度を将来的に開発・導入することを想定し、そのあり方を検討する研究会の第1回目が区内の企業、CES・千代田区関係者、関心を持つ区民、および明治大学の学生が参加して、4月最終木曜日に開催された。

 

この「千代田区グリーン・ビル認証制度構想会議」は、「千代田学」調査研究事業よりの支援を受けた温暖化対策事業学習会として開催。千代田区エコシステム(CES)協議会事務局長をはじめ、CES関係者、千代田区環境安全部職員、三菱地所、清水建設など建設関係、日本銀行、三井住友海上火災保険等金融機関、さらにはセブンイレブン記念財団、そごう・西武、ファミリーマートなど流通業関係者、NPO法人、明治大学の学生など、多彩な顔ぶれが揃ってのスタートとなった。

 

今回、このような会議を設けた背景としては、千代田区における中小企業・中小ビルでのグリーン・ビル化、「屋上緑化」「壁面緑化」は、区の助成制度があるにもかかわらず、なお十分な展開に至っていない。緑化の経済的効果(省エネルギー)や環境上の効果(地球温暖化対策)が、十分に中小ビルオーナーやテナントに理解されていない。また、適切な情報支援や技術支援や財政支援が組織的に準備されていないことなど、多くの課題が残されているのが現状である。そこで、千代田区独自の「グリーン・ビル認証制度」あり方の是非を一年を通して勉強していくことで、「千代田区グリーン・ビル認証制度」の確立を図っていこうとするものである。

 

第1回の今回は、「環境マネジメントグリーン・ビルの接合あるいは環境マネジメント認証の融合へ」をテーマに、まず、明治大学政治経済学部大森正之教授が「千代田区グリーン・ビル認証制度構想会議の論点と課題」という内容で講演した。


   

明治大学政治経済学部大森正之教授「千代田区グリーン・ビル認証制度構想会議の論点と課題」

 

続いて、大森教授からの7つの問いかけに応じる形で明治大学大学院 大森正之研究室 山崎宏樹氏が「環境マネジメントシステムはもう限界?」という内容で講演。環境マネジメントシステムの成功例として株式会社リコーと千葉大学の環境会計事例を紹介し、千代田区における「フィフティ・フィフテイ制度」の導入を提案した。

 

山崎宏樹氏「環境マネジメントシステムはもう限界?」

 

最後に明治大学大森正之ゼミナール14期緑化班から「CESとグリーン・ビル認証制度は融合できませんか?」というテーマでISO14001の普及状況、地方版環境マネジメントシステム(EMS)、グリーン・ビル制度のメリット、植樹ファンドシステムの導入などの報告をした。

 

 

第2回「千代田区グリーン・ビル認証制度構想会議」は、5月30日(木)18時から同じ明治大学駿河台校舎リバティタワーにて、CSRデザイン&ランドスケープ株式会社代表平松宏城氏が「世界におけるグリーン・ビル認証の普及状況について」というテーマで講演する予定である。

 

 

(取材) 若生幸成