2017/05/24 ニュース
クレーンを使用しない風車の組み立て工法を開発 大林組ほか
 大林組と巴技研(東京都中央区)は5月19日、超大型クレーンを使わずリフトアップで大型風車を組み立てる装置「ウインドリフト」を開発したと発表した。ウインドリフトの導入で、施工ヤードを確保するための準備工事が削減できるなど、従来工法に比べ10~20%程度のコスト削減が可能になるという。強風など施工時のリスクも低減でき、10tトラック程度の車両で搬入できるため、施工上の制約が緩和される。両社は、三種浜田風力発電所(秋田県三種町)の建設作業で同装置を初導入し、約10%のコスト削減効果を確認した。
 
 出力3MW級の風車建設には、部材の組み立て、取り付けに1200t級の超大型クレーンが必要となる。この超大型クレーンは、国内には数台しかなく調達が困難だった。大型のため、現場への搬入も難しいという課題があった。ウインドリフトは、ジャッキアップ式装置で部材をリフトアップし風車を組み立てる装置で、3MW級の風車を建設する場合でもクレーンを使用せず施工できる。ハブとブレードを上空で先に水平に組み立て、建て起こしながら支柱上端部へリフトアップする機能を持ち、最小限の施工ヤードで施工できる。これで施工スペースを最大30%程度削減でき、立木の伐採や造成などの準備工事も工程を減らせるなどの特長を持つ。