2017/01/23 ニュース
経産省、風車のJIS改正で新基準風速などを設定
 経済産業省は1月20日、国内の地形や風況などを反映し、風力発電設備の設計要件などに関するJISを改正したと発表した。従来は国際電気標準会議の定めたIEC規格に準拠していた「JIS C1400-1」を改正し、日本の風特性への安全性を盛り込んだ。また、騒音の測定方法を規定する「JIS C1400-11」も、これに対応する最新のIEC規格に一致するよう改正した。
 
 JIS C1400-1の主な改正点は、▽台風、複雑地形に起因する高乱流などを考慮した風車のクラスを設定し、風速や乱流カテゴリの値を定めた、▽通常時や輸送時などの場合ごとに、適用すべき荷重の部分安全率を明確化した、▽設備の設置場所で地形的な複雑さを評価する手順を明確化し、複雑度の指標を定義した--の4点。このうち、風速値では、従来の風車クラスⅠ~Ⅲ(10分の平均基準風速37.5~50m/秒)の範囲外に、新たに風速57m/秒のクラスTを設けた。C1400-11の主要改正点は、▽風車の音響放射の測定方法を見直し、整数風速6~10m/秒のものに適用していた基準を全ての風速に拡大、▽騒音測定に必要な風速の求め方では、風車の発電出力曲線が適用されない場合には、風車上部の風速計が測定した値から推定する方法を規定、▽風車停止時の騒音を測定する時の風速で、風車とは別個の風況観測塔が実測した風速で風速を算出する方法を明確化した--の3点となっている。