2016/11/18 ニュース
東大生産技術研など、再エネでカーボンニュートラルを目指すCCR研究会を設立
 東京大学生産技術研究所は11月17日、化石燃料の使用量を削減し実効的なカーボンニュートラルを目指すCCR(Carbon Capture&Reuse)研究会を設立したと発表した。この研究会では、産業界で排出されるCO2と、再生可能エネルギー(再エネ)を利用し生産する水素を組み合わせた代替エネルギーを提供して化石燃料の削減などにつなげる。同研究会には、▽同研究所小林研究室、▽産業技術総合研究所創エネルギー研究部門、▽日立造船、▽日揮、▽エックス都市研究所などが参加している。同研究会は、化石燃料の使用量削減に実効的なカーボンニュートラルの対策を提案し、2050年を見据えた新たなエネルギー供給システムの構築に寄与することを目指す。
 
 風力、太陽光などの再エネは、現在の技術では電気エネルギーを得るための利用が主流になっている。再エネで燃料を製造する方法を確立できれば、画期的な技術となり実効的なカーボンニュートラルの道が開ける。このため同研究会は、▽回収したCO2と再エネを用いた電気分解で製造される水素とを反応させ、メタンなどの燃料を製造、▽熱エネルギーに役立つ技術の確立、▽再エネの供給変動の平準化と、そこで生じる余剰電力を燃料として保存する技術の確立、▽各産業でのCO2の経済的な分離・回収方法、再エネと燃料製造プロセスの合理的な運用方法などエネルギーの多様性に応じたプロセスの検討、▽社会実装を促進するプラットフォームの構築、▽各項目の社会的意義の周知--などに着手する。