産廃処理大手のタケエイは11月17日、秋田県での木質バイオマス発電事業で具体的な検討を始めると発表した。大仙市に24時間稼働(年間運転日数は330日を想定)のバイオマス発電設備を建設し、発電する電力を売電する。想定出力は約7000kWで、売電の形態は、電力会社との直接契約か小売電気事業者との買取契約締結を予定している。2019年頃には設備を稼働し、売電を開始する予定という。発電燃料は、未利用の木質資源を地元林業事業者が分別集積した後、燃料用チップに加工して利用する。同事業の総事業費は試算中で、同社は地域活性化や雇用創出に関わる各種の助成制度も活用を検討する。
この案件は同社にとって東北地方で4例目のバイオマス発電プロジェクトとなる。同社は検討に入る理由を、▽秋田県が木材利用促進条例を制定し、木材の優先利用を促進していること、▽森林の適切な整備と県土の保全、地球温暖化防止などの観点からも、木材利用を推進していること、▽大仙市とその周辺の自治体は、日本有数の山林蓄積を誇る林業の盛んな地域で、未利用材や製材の端材が相当量発生すると考えられること--などの点だとしている。同社は、原木を製材やパルプへの利用を経て最後に燃料として使い切る、木材のカスケード利用スキームの構築も検討する。