2016/11/02 ニュース
GTCC並みの高効率火力発電システム用タービンを出荷 東芝
 東芝は11月1日、超臨界CO2サイクル火力発電システム用のタービン(出力25MW)を同日に出荷したと発表した。このシステムは、同社などが米テキサス州でパイロットプラントを建設しており、同社は高効率発電と高圧CO2の回収が同時に可能な世界初の発電システムとしている。パイロットプラントは今後このタービンなどを据え付け、来年から検証運転に入る。同社は、この検証運転で得られたデータから、より出力を増大した250MW級プラントの商用化を目指す。
 
 同社は、2012年度から▽ネットパワー、▽シカゴブリッジアンドアイアン、▽エクセロンの3社(いずれも米国)とこのシステムを共同開発してきた。この開発コンソーシアムで、同社はタービンと燃焼器の開発を担当している。開発したタービンは、超々臨界蒸気タービンのケーシング技術と同社の高温ガスタービンの材料技術、冷却技術を融合して完成した。このシステムは理論上、ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)と同等の発電効率を持つとされる。一方で、CO2の分離・回収設備を設置する必要がなく、燃焼時に発生するCO2を高純度・高圧で回収できる。また、GTCCと違い1基のタービンで発電できるため、構成がコンパクトという利点がある。燃料の天然ガスは、空気の代わりに酸素を燃焼に用いるため、燃焼時に窒素酸化物が発生しないのも利点だという。