2016/08/05 ニュース
MHPS、環境省の委託事業で太陽熱発電システムの実証試験に着手
 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は8月4日、太陽熱発電システムの集光・集熱試験設備を同社横浜工場(横浜市中区)で竣工し、実証試験を始めたと発表した。環境省の委託事業「平成28年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」として受託したもので、今年度末まで試験を行う。完成したのは集光型太陽熱発電方式の設備で、集光装置が太陽熱を集めて高温蒸気を生成し、蒸気タービン発電機で発電する。
 
 この設備は、分割した鏡を平面に配置し、傾きを変化させて集光する低温型フレネル蒸発器と、ヘリオスタットで集光するタワー過熱器を組み合わせたもの。これらのほか、太陽の動きを追尾して鏡で光を反射させ一定方向に送るヘリオスタット150基などが配置されている。発電フローは、まず低温型フレネル蒸発器で水を加温し、約300℃の蒸気を発生させる。この蒸気を小型タワー上部に設置した過熱器に送り、さらにヘリオスタット集光で550℃まで加熱する。集熱量全体の約7割は低温型フレネル蒸発器で集められ、残りをタワー過熱器で集める。これで低コストで高温の蒸気を発生でき、発電機を設置すれば、300kW相当の発電ができると見込まれている。10月には高温蓄熱システムの試験も始める予定で、夜間の発電の実効性も検証していく。