2013/04/15 ニュース
発電事業者15社が電力会社から連係拒否、自然エネ財団が調査

 

 自然エネルギー財団が国内の太陽光発電事業者向けに実施したアンケート調査によると、独立した発電事業者と電力会社との間で系統連係が担保されておらず、15社が電力会社との事前相談で系統連係を拒否されていたことが分かった。また、事業断念の理由のうち60件が系統連係関連で、電力会社の系統連係を軽視しているとも受け取れる姿勢が浮き彫りになった。
 
 今回の調査は、国内の太陽光発電事業者252社に実施し、79社から有効回答を得た。79社中設備の所有者が54%、販売・施工業者が33%、開発事業者が7%という割合だった。所有者の出力規模は1000kW以上が39%、50kW以上1000kW未満が32%、10kW以上50kW未満が18%と比較的大出力の設備所有者が多い。電力会社との系統連係で、事前相談は平均1か月、接続検討で2.6か月要しているが、中には事前相談で3か月かかったり、接続検討で4か月以上経っても返事がないとする回答が見られた。
 
 その系統連係関連で、接続を拒否されたとする回答は15件(20%)、連系制限ありと言われた回答は28件(37%)見られた。電力会社との連系協議で、連係許容量の制限や回答を保留されたとの回答は21件(30%)に上った。計画時から設備容量を半減せざるを得なかったという回答も複数見られた。
 
 また、発電計画を断念したり余裕で最も多かった回答は土地調達関連で、107件(45%)に上った。次いで系統接続関連が60件(25%)となっており、設備費用関連は16件(7%)にとどまった。系統接続関連で事業を断念したという回答で、連係可能容量の制限が理由との回答は43件(59件)で、工事負担金は17件(24%)、電力会社の接続拒否は8件(10%)、スケジュール関連は4%という結果となった。自由回答では「系統情報が少なく事業計画が立てられない」、「事前相談で、連系工事負担金の情報提供は行わない協定が全国の電力会社間で確認されていると聞いている」など、ここでも電力会社への不満が多かった。