山梨県は4月9日、平成62年度までに県内の電力を県内で地産地消するための「やまなしエネルギー地産地消推進戦略」をまとめた。この中で、再生可能エネルギーの導入拡大、省エネルギーの推進を謳っており、短期、中期の達成目標を定めたロードマップを策定した。推進戦略は県を挙げて取り組むもので、同日に横内正明知事を本部長とする推進本部も設置した。
ロードマップは平成27年度の短期目標、32年度の中期目標、62年度の長期目標に分けられ、住宅用太陽光発電や小水力発電、水力発電などで数値目標を策定。27年度は小水力で1万kW、住宅用太陽光発電で9万kWを確保する。32年度には、住宅用太陽光発電設備を20万kWに拡大し、戸建て住宅の20%に導入する。小水力発電は27年度の県営8か所から16か所に倍増させ、1.4万kWに出力を引き上げる。これを62年度には3万kWに引き上げ、県内の半数の住宅に太陽光発電設備を導入する。目標出力は116万kW。
省エネルギーでは、平成22年度(約65億kWh)比で27年度は8%、32年度は10%、62年度は20%以上を削減する。これらの取り組みで、最終的に県内の全消費電力を再生可能エネルギーに置き換える。このため、小水力は未開発地点の開発を進め、事業化調査の促進など「やまなし小水力ファスト10」を推進する。このほかバイオマスの利用拡大、県内での水素ステーション整備の促進、持続的な省エネルギー運動の推進などを並行して推進していく。