日本電気(NEC)など9社は8月1日、バーチャルパワープラント(仮想発電所=VPP)の構築と、それを通じたリソースアグリゲーション事業の実証事業に着手すると発表した。9社は実証事業を通じ、社会に分散している発電設備などのエネルギーリソースをメガワット級の調整電力にするVPPを構築する。将来的には、需要家が所有する蓄電池、太陽光発電設備などのエネルギーリソースもVPPの一部として束ね、単一の電力として利用できるようVPPを拡張する。
VPPは、インターネット~ICTなどを活用し、分散するリソースを統合的に制御して一つの発電設備のように機能させる仮想発電所の概念。今回の事業は、9社の提案が経済産業省の実証事業「バーチャルパワープラント構築事業費補助金(アグリゲーター事業)」に採択されたことを受けて着手する。リソースアグリゲーション事業は、平成26年度の「産業競争力懇談会における研究会活動」から同社らが今まで提案、検討してきていた。同事業の事業体(リソースアグリゲーター)は、送配電事業者、再エネ発電事業者、小売電気事業者などからの要求と、工場や家庭などが保有するリソースをマッチングする。また、需要家のリソースでも余力のあるエネルギーリソースを、ICTを用いて統合制御する。事業体からは、発電事業者と需要家にそれぞれ調整電力と電力の対価を提供する。9社は当面、小売事業者向けインバランス回避からサービスを開始。将来的には、送配電事業者に一部の火力発電所の代替として調整力を提供することを目指す。経産省のVPP構築事業には、KDDIや京セラなども参加している。同社以外の参加各社は以下の通り。
▽グローバルエンジニアリング、▽積水化学工業、▽東京電力ホールディングス、▽東京電力パワーグリッド、▽東京電力エナジーパートナー、▽東光高岳、▽三井物産、▽ONEエネルギー