経済産業省は6月30日、次世代火力発電技術を早期に技術確立、実用化するための「次世代火力発電に係る技術ロードマップ」を公表した。火力発電を高効率化し、環境負荷の低減と両立しながら、有効活用を推進するという昨年7月に決定された長期エネルギー需給見通しの内容を踏まえたもの。
ロードマップでは、石炭ガス化燃料電池複合発電や、トリプルコンバインドサイクル(ガスタービン燃料電池複合発電)など、次世代の高効率火力発電技術を、2025年度頃までに段階的に技術確立させる。発電技術とCO2回収・利用技術などは、同時進行で2030年度以降を見据えて戦略的に技術開発を進める。これらの技術開発と実用化では、メーカー、ユーザー、政府がこれまで以上に連携して推進するとしている。2030年度以降を見据えた技術開発では、▽入り口温度1800℃級ガスタービンの耐熱材料、▽CO2固定化・有効利用、▽水素等製造・貯蔵・利用、▽水素発電技術の導入とその本格化--などが挙げられている。このうち、水素発電技術のキーハードとなる水素ガスタービンは、他燃料との混焼技術を2020年代、専焼技術を2030年頃をめどに確立。同規模のLNG火力並みの発電効率や、発電単価17円/kWh以下を実現する。