豊田通商は6月28日、トヨタ自動車九州宮田工場(福岡県宮若市)で、太陽光発電設備由来の水素を利活用する事業を実施すると発表した。経済産業省の補助を活用した事業で、同社のほか福岡県、トヨタ自動車九州、九電テクノシステムズが参加する。同事業では、工場内に設置した太陽光発電設備で水素を製造。この水素で燃料電池フォークリフトや定置用燃料電池を稼動させる。バックアップ電源としての商業電力とバランスを図りながら、2017年3月をめどに運用を始める。余剰電力が生じた場合は、工場内の電力として使用する。経産省の地産地消型再生可能エネルギー面的利用等促進事業費補助金（エネルギーシステムモデル構築事業）の上限額は年間4億円（最大3年度）。

 

　この事業では、商業電力の使用量とCO2排出量を同時に削減する。従来の電動フォークリフトと比較して、約5割のCO2削減が可能と見られる。来年度には定置用燃料電池を設置し、車両や発電機器など、用途や利用時間帯の異なる機器をマネジメントするシステムも構築するという。同事業での4者の役務分担は以下の通り。

 

　▽福岡県:事業支援、事業展開支援、事業者間の協議会取りまとめ、▽トヨタ自動車九州:水素利活用システムの導入と運用、維持管理、他工場への展開検討、▽九電テクノシステムズ:再エネ利用最適化システムの構築、運用、維持管理、▽豊田通商:事業管理、再エネ利用最適化システムの運用、事業展開モデルと将来的なビジネスモデルの構築