2016/04/06 ニュース
北海道電力グループ、木質バイオマスから水素を生成し発電
 北海道電力は4月5日、グループ会社の北電総合設計と、今年度から「小規模木質バイオマス発電実証事業」に着手すると発表した。同事業は木質バイオマスをガス化、または改質して水素を生成し、燃料電池で発電するシステムを確立するもの。倶知安町で2019年度まで実施し、今年度は流動層ガス化炉のシステム化などに着手する。
 
 水素の生成プロセスは、流動層ガス化炉で木質バイオマス(チップ)を蒸し焼きにして一酸化炭素を発生させ、改質器で水素を生成する。この水素で燃料電池で発電し、小規模でも高効率の発電ができるシステムを構築する。また、燃料電池から発生する排熱を全量回収し、ガス化炉の熱源に再利用する。燃料電池は東京大学が特許を持つ排熱を回収するタイプを活用することで、発電効率50%以上、総合エネルギー効率70%以上を目指す。システムは同社と東京大学などで特許を出願済という。同実証事業は、北電総合設計が東京大学と日本森林技術協会の3者で林野庁の補助事業の事業者に選定されたもの。