地球温暖化防止に関する地域活動を報告し、学び、連携の輪を拡げる「低炭素杯2013」。全国1317団体から選ばれたファイナリスト40団体・企業・学校が“環境大臣賞グランプリ”を競い、その結果、企業活動部門の金賞にレモンガス株式会社が輝いた。
「低炭素杯2013」表彰式風景、トロフイーを持つ笑顔いっぱいのレモンガススタッフ プレゼンテーション風景
先日、東京都港区港南にあるレモンガス株式会社本社を訪問し、「低炭素杯2013」プロジェクトリーダーである総務部箱山武弘部長から「低炭素杯2013」参加への動機、活動内容などを伺った。
Q 「低炭素杯2013」参加の動機を教えてください
私たちの会社は、神奈川・東京、そして埼玉、静岡を中心に全国30万世帯に「クリーン」「安全」「災害に強い」エネルギーであるLPガスをお届けしています。そして、昨年、新しいエネルギーの取り組みとして、LPガスコージェネレーションによるエネルギー自立型災害対応住宅を神奈川県相模原市橋本に建設しました。しかし、こうしたLPガスを活用した新しい取り組みがなかなか世間に認められない、というジレンマもあります。そこで、私たちが普段行っているさまざまな地球温暖化防止活動を広く皆様に知ってもらおうと、また、積極的に「環境大臣賞」受賞を狙い、大きな話題をつくろうと「低炭素杯2013」に参加しました。
エネルギー自立型マンション、スマート・ハイブリッド・マンション「ALFY橋本」
Q具体的に「低炭素杯2013」にて報告した活動を教えてください
活動内容は大きくわけて4つです。ひとつは、神奈川県相模原市橋本と東京目黒区祐天寺にLPガスによるエネルギー自立型災害対応住宅を建設したこと。ふたつ目は、東京八王子市にありますショールーム「レモンタウン」での活動です。「レモンタウン」では、『トリジェネ』という先進的取り組みを行っています。『トリジェネ』とは、トリジェネレーションのことで、LPガスで発電し電気を供給すること、発電排熱を給湯・暖房に利用すること、そして、発電時に発生する“CO2”を施設で上手に活用することです。その活用の方法として、温室をつくり、花や野菜を育てています。
東京八王子市レモンガスショールーム「レモンタウン」 「レモンタウン」の隣接する温室
3つ目としては、「低炭素杯」に参加している高校生が行っている活動支援です。例えば、先ほどのショールーム「レモンガス」の屋上には芝を植えています。この屋上緑化のための芝は、京都の桂高校の高校生が大切に育てた日本固有の植物ノシバを採用しています。また、今年、環境大臣賞グランプリを受賞した栃木県の栃木農業高校の村おこしプロジェクトから生まれた“よしず”を100枚購入する予定です。
京都桂高校で栽培された“ノシバ”活用した「屋上緑化」 栃木農業高校「村おこしプロジェクト」から生まれた“よしず”
そして、最後の4つ目の活動は、レモンガスの全社員が参加した環境・安全に関する活動と地域貢献活動です。環境・安全に関する活動としては、全社員が「救急法」の講習に参加させて、いざというときの対応に対処できるようにしています。合わせて「エネルギー診断士」の資格取り組みも積極的に進めています。地域貢献活動としては、レモンガスが誕生した神奈川県平塚市で、地域の少年野球をバックアップしています。レモンガスの冠で“少年野球大会”を開催したりしています。また、少年野球チームと「海岸清掃」を行うなど、積極的に地域社会に役立つ活動を行いました。
レモンガス社員と少年野球チームによる平塚の「海岸清掃」
「低炭素杯2013」での企業活動部門において、「環境大臣賞金賞」を受賞したレモンガス株式会社は、「実は社内からの評価よりも取引先などの社外からの反響が大きかった」とも箱山部長は述べていた。レモンガスとしては、今後も、受賞した活動内容を含め、地球温暖化防止に向けて、さらなる活動を進めていく。と同時に、「低炭素杯」の認知拡大などを支援していきたい、と考えているとのこと。
「低炭素杯」の事務局運営を行っている一般社団法人地球温暖化防止全国ネットの廣瀬健二氏は、「低炭素杯は、今年で3回目と歴史は浅いのですが、1回目、2回目と回を重なるごとに参加者、参加チームのレベルが確実に上がってきています。自分たちがやりたいことをするのではなく、それぞれの活動地域が求めているものや、そこから全国に拡がることを強く意識した活動が多くなってきています」と語っていた。「低炭素杯」が地球の温暖化防止への活動のベースになることを期待したい。
(取材・文責) 若生幸成