北川宏・京都大学大学院理学研究科教授の研究グループは4月4日、面心立方格子構造を持つ金属ルテニウム(Ru)触媒の開発に成功したと発表した。新開発の触媒「fcc-Ru触媒」は従来の触媒より高性能で、金属Ru触媒を使用しているエネファームの長寿命化が期待されている。
燃料電池システム「エネファーム」では、金属Ru触媒は白金の耐被毒触媒にナノメートルサイズの金属微粒子として用いられている。新開発のfcc-Ru触媒は、既存の触媒より一酸化炭素を除去する性能が優れており、今回の開発は新しい金属Ruの発見にも等しい成果という。同グループは「高活性に加え高寿命の性能を兼ね備えた優れた触媒になり得る」と評価しており、白金触媒の耐久性向上が期待されている。今回の研究で開発した合成手法を適用することで、既存の物質や材料に比べ安価で優れた特性の新材料創製も期待される。