2016/03/16 ニュース
日本ロジテック協同組合、事実上の事業破綻
 東京商工リサーチは3月14日、特定規模電気事業者の日本ロジテック協同組合(東京都中央区)が11日、弁護士を選任し破産手続きを委託したと報じた。弁護士は、破産も視野に入れて調査し、調査が終了次第債権者に負債額を伝えるという。現状で負債総額は71億6061万円(平成27年3月期決算時点)と見られているが、今後変動する可能性がある。なお、同組合は31日まで電力共同購買事業を行うとしている。
 
 同組合は軍司昭一郎氏を代表理事に19年11月、12社の組合員を集めて設立された。払込済出資総額は9990万円で、経済産業省から特定規模電気事業者の認可を取得し22年4月に電力小売に参入。太陽光発電設備、ごみ焼却発電設備などが発電する電力などを外販していた。同組合は電力小売事業が売上高の99%を占め、電気供給量は新電力各社で5番目と高かった。24年7月のFIT制度施行で電力小売需要を取り込み、27年3月期の売上高は約555億7700万円と好調に推移した。反面、自社の発電設備を持たず電力会社や企業などの余剰電力を調達して販売していたこと、関係会社を通じて建設するはずだった発電設備の費用発生などで資金繰りは悪化していた。27年5月と今月には、経産省から同組合が電気使用者から支払われた賦課金を納付しなかったため事業者名の公表措置を受けた。だが資金繰りは改善せず、電力調達先への未払いが頻発した。このため、電力調達先の自治体などから売電契約を解除されたり、未払いの電力料金の支払いを求める訴訟提起などが相次いだ。2月25日にはついに新電力の登録申請を取り下げ、電力小売事業からの撤退を表明。事実上の事業破綻となった。撤退表明後も高知市から、未払いの電力料金約1億8100万円を支払うよう求める訴訟が高知地裁に提起されている。