日本ガイシは10月20日、中国電力が島根県で実施するハイブリッド蓄電池システム実証事業(隠岐ハイブリッドプロジェクト)向けに電力貯蔵用のNAS電池を納入したと発表した。納入したNAS電池は出力4200kW、容量2万5200kWhで、西ノ島町の中国電力西ノ島変電所構内に設置された。9月30日から運転を開始している。
中国電力のプロジェクトは、環境省の「平成26年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業」の一環として行われる。長時間の出力特性に優れるNAS電池と、短時間出力特性を持つリチウムイオン電池を組み合わせ、まずNAS電池で時間単位の遅く大きな変動を安定化させる。一方、リチウムイオン電池は天候の影響で発生する小さな変動を吸収する。同プロジェクトでは、このハイブリッド蓄電池システムと、他所のディーゼル発電機や再生可能エネルギーによる発電設備などをネットワークで連結。平成30年9月まで、電池の効率的な充放電管理や制御手法など関連技術の実証を行う。中国電力では、このシステムを運用し、隠岐諸島で新たに約8000kWh以上の再生可能エネルギーを受け入れる方針。