三菱重工業は2月5日、英ハンターストンのテストセンターで、油圧ドライブ式大型洋上風力発電設備「MWT167H/7.0」(定格出力7000kW)の陸上実証試験を開始したと発表した。同社は今後、福島沖で実施される浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業に、油圧ドライブ式大型風力発電設備を来年度の予定で供給し、実機での実証試験を行う。
MWT167H/7.0は、動力伝達機構にデジタル可変制御方式の油圧ドライブトレインを採用した風力発電設備。組み立ては同社の横浜製作所(横浜市金沢区)からナセルなどの主要機器を搬入して現地で行った。MWT167H/7.0のブレード長さは81.6m(ローター径167m)、ハブの高さは約110mと従来機と比べかなり大型の風車となる。油圧ドライブトレインは、同社が平成22年に買収した英アルテミスと、アルテミスの持つ油圧デジタル制御技術をベースに共同開発した。この方式は、風のエネルギーを油圧に変換し、一定の回転数で発電機を回すため、増速機やインバーターが必要ない。同社は、MWT167H/7.0の量産化に目途が立った場合、関連会社のMHIヴェスタスに油圧ドライブトレインを供給することも検討するとしている。