ゼネラル・エレクトリック(GE)のパワーコンバージョン事業はこのほど、デンマークのリンドー洋上再生可能エネルギーセンター(LORC)から最大10MWの出力を持つ風車ナセル試験設備の建設を受注した。役務範囲には試運転、リモートサービスなども含まれ、2014年に稼働を開始する見通し。
LORCは再生可能エネルギー技術の試験センターで、この設備はフュン島のリンドー・インダストリアルパーク内に建設される。GEはドライブトレイン、送電網シミュレーション、管理システムと基礎工事を担当する。今回の工事では、従来のMV7000シリーズを改良した中圧インバーターシステムを導入する予定。新試験設備の新設・導入で、LORCは風力ナセルの性能試験が可能になり、実際の条件に近い33kVレベルでの試験環境を使用するため、ナセル内の風力タービンコントローラーの試験も可能になるなど試験対応領域が拡がるという。
オヴェ・ポウルセン・LORC CEOは今回の受注に関して、「我々は、GEの風力産業に関する専門知識と世界での試験システム導入実績を評価して決めた。試験設備は『仮想』風力発電ファーム(別システムで構築)と連動できるため、模擬環境試験として運用できる」と述べた。今回の受注はGEが包括的に調整や試運転まで含む役務をワンパッケージで提供できる総合力が受注の決め手になったと見られている。